「卵子凍結(Oocyte Cryopreservation)は、女性が将来の妊娠に備えて卵子を採取・凍結保存する医療技術です。近年の研究では、35歳以前に凍結された卵子は体外受精でより高い妊娠率を示すことが明らかになっています(Cobo et al., Fertility and Sterility, 2016)。

自身の卵子を用いた場合は、年齢の増加に伴い妊娠率は低下しますが、若年ドナーの卵子を用いた場合は、年齢による妊娠率の低下は認められません。
「卵子の老化は加齢に伴い進行し、妊娠率や染色体異常リスクに大きく影響します」
・30歳以降:徐々に卵子の質が低下
・35歳以降:妊娠率が急激に低下、染色体異常率上昇
・40歳以降:自然妊娠は困難になることが多い
卵子凍結とは、将来の妊娠に備えて若い状態のまま卵子を保存し、加齢による影響が少ない卵子での妊娠出産の実現や子供を授かりたいタイミングで出産するための準備です。また、高齢出産で心配される染色体異常の確率も低くなります。
適応
・未婚女性で将来妊娠を希望する方(ソーシャルフリーズ)
・卵子老化による妊孕性低下リスクを軽減したい方
・がん治療などで卵巣機能が低下する可能性のある方
卵子凍結は、「社会的適応」か「医学的適応」のどちらかに該当する場合に行われます。当院では社会的適応による卵子凍結を行なっております。

当院の特徴
当院の特徴
① AMH検査卵巣予備能の指標、AMH(抗ミュラー管ホルモン)の数値により、卵巣内の卵胞数を推定可能、低値の場合、卵子凍結を急ぐ必要があります。
②経膣的に卵胞から卵子を吸引
③所要時間は約15〜20分
④静脈麻酔によりほぼ無痛
⑤術後数時間で帰宅可能
⑥従来の緩慢凍結では氷晶形成による卵子破壊が問題だったが、当院のガラス化法により生存率は90%以上に向上
⑦技術的には長期保存が可能、20年以上保存された卵子からの出生も可能
⑧利用時、融解後、顕微授精(ICSI)で受精 → 胚培養 → 子宮内胚移植で妊娠可能
当院では「ガラス化凍結法(Vitrification)」を採用しており、卵子の生存率は90%以上を誇ります。凍結・保存した卵子は、顕微授精(ICSI)に利用可能です。「若い年齢で卵子の質を保持、将来の妊娠の選択肢を確保」を目指します。





